「見える化」により業務の属人性を解消 株式会社マウンテン様
代表自らが積極的に IT 技術を活用する株式会社マウンテン様は、不動産業界の抱える課題解決に向け、 FileMaker Cloud と Claris Connect を使った顧客対応システムを導入しました。
不動産業における「業務の属人化」という課題
背景として、賃貸契約や物件管理における属人化の問題がありました。特定業務に精通する担当者がいる場合、その業務が 1 人に集中し、その人が退職してしまうと業務の引き継ぎに影響がでます。この状況は、事業継続性の観点からも、改善すべき課題でした。
当初は他社のビジネスアプリを使用していましたが、ある程度のリテラシーが必要で、データの整合性が取れなくなるケースがありました。そのため、AWS 上で FileMaker Server を利用し、利便性を確認した後に、FileMaker Cloud に乗り換えました。
FileMaker Cloud を導入するにあたり、システムの一部を弊社に依頼いただきました。
代表の横山氏より、当初の状況について次のコメントを頂いています。
「もともと自社で開発した FileMaker のシステムがあったのですが、既存システムの改修はシステム開発会社さんに嫌がられるイメージがあったんですね。でも既存のシステムも活かしたかったので、これも含めた開発をお願いできる会社を探し、Claris Partner のともクリエーションズさんに相談したところ快く引き受けてくれました。同じ横浜市内にあるのも決め手の 1 つでしたね」
ワンアクションで複数のアプリに情報を反映
クラウドのメリットは次のとおりです。
- いつでもどこでも使える。事務所にいないことも多いので、何かあってもすぐに PC やスマホから確認できる。
- Claris Connect を導入し、Google カレンダーと連携した。
この連携により、FileMaker の画面に入力しておけば Googleカレンダーに自動的に同期されて業務が完結し、他のメンバーとの情報共有ができるようになった。
カレンダーとの連携部分をスクラッチ開発(既存のツールやシステムを使わず、1 からシステムを開発する)すると Claris Connect を使った開発の 5 倍近くの工数がかかります。スクラッチ開発のメリットもありますが、今回はGoogle カレンダーとの同期が目的でしたので、Claris Connect を採用しました。
Claris Connect で 属人化から脱却
FileMaker Cloud と Claris Connect 導入によって社内の業務がスムーズになりました。特にコロナ禍、メンバーが集まれない、会議ができないといった状況の中でも、 FileMaker Cloud を使えば簡単に情報共有ができ、その情報をもとに業務が進められるようになりました。
課題であった業務の属人化については、これまで契約、物件、金銭の管理をそれぞれ別々のメンバーがやっていた業務を全て FileMaker Cloud に『顧客対応』ファイルとして集約しました。例えば、不動産業の契約時には新規契約、更新契約、解約といった対応があり、解約したら原状復帰の工事対応も発生します。それぞれの業務に対してメンバーがバラバラに対応していましたが、顧客対応という 1つのワークフローで業務を見える化し、属人化の課題解決につながりました。
IoT を活用して社会問題の解決を模索
株式会社マウンテン様は、近年の入居者の孤独死などの社会問題に対して、不動産事業者として取り組みを始めています。低価格で広範囲に無線ネットワークを構築できる LPDA を利用し、開閉を検知するセンサーを住居に取り付け、室内での孤独死を防ぐ実証実験を行っています。今後、IoT 実証実験の管理や、入居者との連絡の管理にも FileMaker や Claris Connect を検討したい、とさらなるDX化を模索しています。
※この事例は、2022年にClaris社のオンライン事例セミナーに登場しました。